参議院選挙は下馬評通り、民主党は議席を減らし、自民、みんなの党は議席増、社民、共産は議席を減らす結果となりました。
参院選 民主大敗44 与党過半数割れ 自民、改選第1党
7月12日0時37分配信 毎日新聞
第22回参院選が11日投開票された。民主党は04年の50議席に及ばない44議席にとどまり、自民党の51議席を下回る大敗となった。自民党は「改選第1党」に復調。みんなの党も改選第3党となる10議席に躍進し、民主党は国民新党との連立与党で過半数を割り込んだ。菅直人首相は12日未明、自身の消費税引き上げ発言について「十分な説明が不足していたことが大きな(敗北の)要因」と認めたうえで続投を表明。「もっと慎重に、しっかりとした議論を進める丁寧な扱いを国民が求めた」と超党派の消費税協議を呼びかけた。
【参院選速報】写真と当確速報で
(引用ここまで)
自民と民主で議席の半数以上を占めたということは、消費税増税はある程度仕方ないものとして受け入れて争点としなかった人がそれなりにいるということでしょう。また、消費税増税反対の人は、今のところ消費税増税に反対してみせている(だけの)みんなの党に流れたと思われます。
基本的に二大政党の自民か民主か、消費税増税か「徹底した無駄削減」か、の選択肢ばかりを強調するマスコミの報道がひとえに功を奏しているなあ、と強く感じました。
(簡単にマスコミに騙される素地は、生きた政治を学ぶことを避ける消極的な貧しい社会科教育でリテラシーが育っていないことによるものだと感じます。)
それにしても、みんなの党ってバリバリの新自由主義、構造改革路線の政党です。もしこの党がキャスティングボートをとれば、国民の生活はますます貧相になっていくのは目に見えています。
国民の生活を破壊し、いつまでたっても暮らしよく上向きにならないのは、この構造改革路線こそが犯人なのだといったいどれだけの国民が認識してるのでしょう?私は不思議に思います。
大多数の人々は「出口の見えない低迷した経済や苦しい暮らしの原因は、リーマンショックやサブプライムローン問題や、官僚や政治家の国費の無駄遣いにある」とか、「長引く不況というものは長引く異常気象による大飢饉みたいに一種の天災のようなもの、今世界中が不況でみんなが苦しいんだから良くなるまでじっと我慢するしかない」とかいう具合に漠然と考えていて、構造改革路線が全ての元凶なのだと気づいていないのかも・・・?
そうでないとこれだけ痛い目にあわされた構造改革路線をまだ推し進めようとする政党(民主、自民、みんなの党)を支持する人々が圧倒的であることの説明がつかないように思うのです。
もしそうならば、その責任の一端はやはり御用マスコミが負うところが大きいといわねばならないでしょう。
御用マスコミが政権批判とその情報提供というマスコミ本来の役割を果たせるように変われるために大いに期待された記者クラブ廃止と放送法改正ですが、やはり民主党も政権を握ってみると御用マスコミの存在は大切だと思い直したのかもしれません。
みんなの党は、構造改革路線政策のうち国民にウケのいいスケープゴートである公務員改革を分かりやすく呈示し、本当はいずれ行うつもりであろう消費税増税に反対して見せて、一気に11議席獲得しました。
しかし公務員改革といっても結局肝心の天下りには本格的にメスを入れることなく、末端の公務員をカツカツにするだけで国民生活にしわ寄せがくるだけのことになるでしょう。
たとえば今回の選挙、事業仕分けで選挙会場が統廃合され、お年寄りの多く住む地域で選挙会場が遠くなって不便になってしまいました。なかには遠いとこまで歩いて行くのは辛いからと投票を諦めた人もいます。
民主党やみんなの党のいう「徹底した無駄の削減」、公務員改革、削減ってつまりはこういう国民に対するしわ寄せなのですが、それでもやっぱり公務員改革というものに漠然とした幻想を抱く人が多いのです。
以前も書いたのですが、だいたい公務員改革とやらを行えば国家が潤い国民の暮らしも潤うようになるのでしょうか?末端の公務員の人数を減らし人件費を削ったところで、いったいどれほどのお金が浮くでしょう?
事業仕分けの如く雀の涙です。
そしてそれで浮いた雀の涙ほどの国費の代償は、官製ワーキングプアや公共サービス低下(選挙会場の統廃合もこれ)というブーメランとなって国民にかえってくるのです。
民間が安月給で苦しんでいるから公務員も安月給になれ、ではなく、民間も元通りの給料になるよう、民間を公務員の水準に近づけるべき、という発想が何故ないのでしょう?
公務員叩きを見ていると、
『世界の常識:普段は競争していても、危機が迫れば手を組む
日本人:普段は群れていても、危機が迫れば足を引っぱり合う』
という皮肉に大きく頷きたくなります。
まさに足の引っ張り合いの発想がみんなの党の公務員改革支持の源ではないかといったら言い過ぎでしょうか?
民主党の訴えの一つに「政権交代でおきた新しい政治の流れを止めないでください」というのがありましたが、民主党の政治のどこが新しい流れなのでしょうか?
社会政策にしろ普天間問題にしろ、衆議院選挙時のマニフェストなど半年たたぬうちにかなぐり捨て、見事な自民党の焼き増しではないですか。これを新しい流れだとどうして信じることができるのでしょう?私は理解に苦しみます。
民主党、自民党、みんなの党、みな五十歩百歩の構造改革路線の政党です。多少顔が違うだけで、本質的には同じ穴の狢でしかないのに、投票先をその中で行ったり来たりしてるだけでは何も変わりません。
みんなの党の、本音はやる気のない消費税増税反対のポーズや国民の暮らしを衰退させるだけの小さな政府論にあっさり騙されたり、
暮らしを破壊してきた張本人の自民に仕方なく回帰してみたり、
自民と寸分違わぬ本性をむき出しにした民主党を支持し続けてみたり
そういう選択は自分で自分の生活を壊すような選択でしかないと思うのですが・・不条理なものを感じますね。
選挙の度にこの不条理を感じますが、では、消費税反対をずっと訴えてきた共産党、社民党はなぜ民主党政治に失望した人々の受け皿になれないのでしょう?何故、固定客以外に支持を獲得できないのでしょうか?
原因は色々ありましょう、マスコミの偏向報道ももちろん大きいと思います。
しかし、私は革新勢力がちっとも団結しようとしないことにも一因があると思うのです。
共産党と社民党の過去に何があったかなんて正直言って、興味ありません。大事なのは現在の国民の生活を良くすることです。私達の願いや期待もそこです。それに関して共産党と社民党はなんの遜色もなく、共闘できるはずなのです。
両者には是非、
国民のために団結して欲しいと願うばかりです。
今のままでは「分断して統治せよ」を地でいっています。それは大政党を利するだけの愚かな行為だとあえて苦言を呈しておきましょう。
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